逃亡。すごいぞやまだくん鴨川旅館編 Vol.1


帰って来た。数年前旅行で訪れた以外は縁もゆかりも無い土地だが駅に降り立ち自然とこの言葉が頭に浮かんだ。トンビの鳴き声と潮風が気持ち良い。


少し前から千葉県鴨川市の旅館に住み込みでバイトに来ている。その際さすがにアフロではいかん、となり髪を切ってしまった。現在は普通の髪型だ。といっても元が鬼天パなので短くしたらしたで八村塁くんのようになっているが。そこはさておきもう僕はアフロではないしこれもアフログではない。僕の髪型のファンの方、落ち込む方もいると思います。そうですよね、分かります。多分僕が一番悔しいです。


アイデンティティとも言える髪型を変えてまで働きに来た理由は逃げだ。なんか疲れてしまった。都会が嫌いになったわけじゃないけど、喉が詰まって呼吸しづらい、息苦しい感覚が強くなってしまって。行ってないけど病院行ったら多分うつ病診断もらってたと思う。


一旦色んなことから逃げて自分の好きな海沿いの場所でゆっくり生活してみたくなった。詳しい経緯とかはもし気が向いたら。なるべくポップでキャッチーな明るいキャラクターでいたいのでこんな顔を見せるのは本当は好きじゃないし(風の日)。


そんなんで今回のバイトを探し採用が決まった。電車を乗り継ぎ平日昼間ガラガラの外房線に乗る。都会の風景にうんざりしていた僕は色味の無い地下鉄の景色からどんどん緑が増していく車窓を眺めていると気分の高揚が止まらない。


駅に着くと送迎の人が迎えに来てくれて旅館に向かう。仕事は明日からなので軽く挨拶を済ませ寮へ。小さなダイニングとトイレ風呂に個室が4部屋ある。

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窓からの景色。1日15分はここから海を眺めながらぼーっとしてる。多分通行人にやばいやつだと思われてる。


最低限の物は用意してくれたが他にも必要な物があるのですぐ買い出しに安房鴨川へ。降り立った瞬間、帰って来た、と思った。実は数年前鴨川には旅行に来たことがありその際めちゃ気に入ったので今回この場所を選んだのだ。ひとまず駅からすぐの前原海水浴場へ向かう。

 

だだっ広い砂浜に寝転がる。大好きな土地に住んで生活出来るなんて夢みたいだ。今までは短期や単発のバイトしかやったことがなく、働く場所も都心周辺だけだったので、こんなに自然あるところに住む&バイトという気楽な身分になったことへのテンションの上がり方がハンパない。僕の人生って結構自由だったんだな。もちろんその代わりに色んな不自由も引き受けることになるが、今はそういう生き方がしたい。


潮騒を一通り堪能した後は買い物を済ませ早めの夕飯をこちらで食べることに。

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安房鴨川駅から前原海水浴場、海岸方面に向かって真っ直ぐ行くと道中にある食堂。営業中の看板はあるものの一応「すみませ〜ん、今やってますかね?」と聞くと椅子繋げて寝っ転がってたジジイから「うん、やってるよ」の一言。お前は店員じゃねえだろ。ラーメンを注文。味はよくある中華そばって感じ。まあ満足。歯のないジジイが競馬見てどうこういいながらビール飲んでる光景ってどの地域にもあるんだなという知見を得た。


寮に戻ってくるとある部屋から音が聞こえる。何かの曲かなと思ったがどうやらこいつメトロノームセットしてギターの運指の練習をしている。一旦無視して自室へ。その後はサックス?がペペペッペッペッペペペペッペンみたいな曲が流れて来た。多分いわゆる上質な音楽とかなんだと思うがよく分からんしてかまあまあいい時間なんだから音量を下げてくれ。その後挨拶すると、ジョイマン高木をパッチリ二重にして目つきを80倍悪くしたようなやつが出てきた。行動もやばいし見た目や話した感じもサイコパスっぽいし出来れば関わりたくない。


明日から上手くやってけるかなあ。仕事は置いといて昔から何故か人には好かれるし(自分で言うな)大丈夫だろう。昔いた会社で仕事出来なさすぎて死ぬほど怒られ毎日泣きながら出勤していた時の上司ですら僕のこと好きだったと思うし。石井さんあの時はすみませんでした。


ベッドに入り消灯すると高木が今度は洋楽を歌い出した。ここはお前の家じゃねえんだぞと心の中でツッコミをいれつつも今日のところは就寝。明日からどうなることやら。

 

つづく