お別れのチェキ


好きなアイドルグループのメンバーが2人辞めた。初めてのワンマンの3日後。


本人達の希望で卒業公演みたいなものは設けられず発表と同時にもう会えなくなってしまった。


その中の1人とはよくチェキを撮っていた。最初こそあまり人が並んでなくてすぐ行けるから通っていたのだけど、いつしか一番僕が素で話せる女の子になっていた。その子とは別の推しメンの前ではやっぱりかっこつけたくなるので少し自分を良く見せようとしちゃうのだけれど、逆にそれがない分全部自分のままで話せる時間は楽しかった。


当人の意思が一番大事だけどやっぱり何も言えずにお別れするのは嫌だ。たくさん楽しい時間をもらったし感謝くらい伝えたい。


図らずとも最後になってしまったチェキをファイルにしまおうと裏返した時、何か書かれていることに気付く。

 

 

たくさんたくさんありがとう。

 


友達の前だったけれどみっともなく泣いてしまった。

 

2人でいつも中身の無いしょうもない話ばかりをしてたことが思い浮かぶ。


本気で推しメンと結婚したいんだよねって言ったらいいじゃんしなよって応援してくれたこと、10代なのにスマホを使いこなせずAmazonで買い物するときはお母さんに頼んでるってこと、僕の笑い声がうるさくて注意されたこと、でもやまだはそれで良いんだよって言ってくれたこと。

 

僕らアイドルオタクは表舞台を去ってしまった彼女達に対して何も出来ないし知れない。もう今後の人生で関わることもなくてどこでどうしてるかなんて分からないけれど、だから。


みくちゃんへ。近い将来絶対悪い男に引っかかるであろう君のことが本当に心配です。でもマジで良い子だから絶対幸せになってほしいな。そう思ってます。それしか出来ないから。そんなん誰でも無理なんだけど、出来ることなら辛いことや苦しいことなんて一つもないただ楽しいだけの毎日を過ごしていってほしい。半年もない期間だったけれど、すごく良い時間で推しメンでもない子の脱退(卒業)でこんな気持ちになったのは初めてです。多分ずっと忘れないから、みくちゃんも覚えててくれたら嬉しいな。


いつもふざけた話ばっかだったのでいきなし真面目になんのも変だしおかしいかな、まあでも最後だしさ、許してくれ。


今までありがとうみくちゃん。長い人生の間でみくちゃんと少しでも関われて良かった。ずっと楽しかった。

んじゃあ、元気で。笑っていてくれ。